モンティ・ホール問題シミュレータ(Monty Hall Problem Simulator)

遊び方

  • ドアを選択します。(選択したドアは青色で表示されます。)
  • 「1.シミュレーションスタート(Simulate)」ボタンをクリックします。すると、選択したドア以外でハズレのドアが1つだけ表示されます。(ハズレのドアは赤色で表示されます。)
  • 次に「2.ドア変更の選択(Change)」ボタンをクリックします。「OK」ならドアを変更するのであれば「OK」、変更しないなら「Cancel」をクリックします。
  • 再びテストしたい場合には、「3.リセット(Reset)」ボタンをクリックします。①から再開します。
  • 試行回数、勝利回数、勝率はブラウザを開いている限り保持されます。

モンティ・ホール問題(Monty Hall Problem)とは

統計学で「ベイズの定理」を学んでいると、必ずといっていいほど、この「モンティ・ホール問題」が出てきます。

正解が直感に反するため、過去には論争になりました(多くの数学者も間違えた)。


この「モンティ・ホール問題」はアメリカのゲームショーの司会者「モンティ・ホール」に由来します。

問題となったゲームの内容は以下のようなものです。

  • ゲームにはプレーヤーが1人参加し、モンティが司会者兼進行役を務めます。
  • 目の前にはドアが3つあり、1つのドアのうしろには”当たり”である高級車が、残り2つのドアのうしろには”ハズレ”であるヤギが置かれています。
  • プレーヤーは、3つのドアのうち1つを選ぶよう促され、1つを選びます。
  • モンティが開けていない残り2つのドアのうち、”ハズレ”のドアを1つだけ開けます。(モンティにはどのドアが当たりかはわかっています。)
  • ここでモンティは、プレーヤーにドアを変更するかどうかを聞きます。(この時点でプレーヤーにはドアを選択し直す権利があります。)

果たしてプレーヤーはドアを選びなおした方が良いのか、それとも最初の選択のままでいた方がよいのか、一体どちらでしょう、というのがここでの問題です。

このように、ゲームとしては非常に単純なのですが、これが大論争を巻き起こすことになります。

正解を先に言うと、プレーヤーは「ドアを変更した方が良い」ということになります。この問題では、ドアを変更した方が変更しないよりも当たる確率が2倍になります。

これが、直感的には理解しにくいので、大論争となったわけです。

大論争の発端と正解

大論争の発端は、マリリン・ヴォス・サヴァント(Marilyn vos Savant)というコラムニスト(なんとIQが228もあり、ギネス記録にもなったそう)が自身が持つコラム「マリリンにおまかせ」で、読者からの質問に答える形で

プレーヤーは「ドアを変更する」のが正解です。当たる確率は、ドアを変更した方が変更しない場合よりも2倍になります。

という内容の回答をしたことによります。

早速、「マリリンの解答は間違っている」という投稿が殺到しました。論争に参加した人の中には数学者もいたようで、大論争に発展しました。

結論はマリリンの方が正しかったのですが、なぜ多くの人が間違った結論に達したのでしょうか?問題文を読んでもまだ結論に納得しない方も多いのではないかと思います。

というのも、モンティが「ヤギ」のいるドアを1つ開けた時点で、残り2つのドアには「高級車」と「ヤギ」のどちらかが入っていることになります。最初にプレーヤーが選んだドアには「高級車」か「ヤギ」のどちらか、残り1つのドアにも「高級車」か「ヤギ」のどちらか、つまり、選び直してもそのままでも確率は半々、1/2です。なのになぜ選び直す方が当たる確率が2倍になるのか?、これが直感的な印象だと思います。

これに対して、統計学の教科書やいろいろなサイトを見ていても、長々と説明されていることも多く、それがかえってこの問題の理解を難しくさせているような気がします。

これについては、以下の説明をした方が端的でわかりやすいのではないかと思います。

最初にプレーヤーが「高級車」を当てる確率は1/3、「ヤギ」のドアを選ぶ確率は2/3です。ドアを選んだ時点では当然、プレーヤーは当たりかハズレかはわかりません。

次に、モンティがプレーヤーが選ばなかった残り2つのドアのうち、「ヤギ」のいるドアを1つだけ開けます。そして、プレーヤーはドアを選び直しても良いと言われます。

さて、ここでプレーヤーの立場になって考えると話は単純になります。最初にプレーヤーの選んだドアが「高級車」ならそのままの方が正解ですが、最初にプレーヤーの選んだドアが「ヤギ」なら選びなおした方が正解となります。ここで、プレーヤーが最初に「高級車」のドアを選ぶ確率は1/3、「ヤギ」のドアを選ぶ確率は2/3でした。つまり、今プレーヤーが最初に選んだドアには、2/3の確率で「ヤギ」がいることになります。

次にモンティがハズレのドアを開きます。相変わらず、あなたのドアには2/3の確率でヤギがいます。一方、モンティが開かなかったドアには、1/3の確率でヤギがいることになります。ここで選び直した場合、1/3の確率のヤギのいるドア、つまり2/3の確率で「高級車」を選ぶことになります。これが当たる確率が2倍になるカラクリです。

これは、ドアが3つだけだからわかりにくいのであって、もっとドアの数が増えると理解がしやすくなります。例えばドアの数が100枚あったとして、そのうちの1つに「高級車」、残り99枚のドアに「ヤギ」がいます。

プレーヤーがドアを1枚選んで、モンティが残り98枚の「ヤギ」のドアを開けたとするとどうでしょう?プレーヤーが最初に100枚のドアの中から「高級車」を選ぶ確率はわずか1%です。モンティには正解がわかっています。そのモンティが99枚のうち98枚の「ヤギ」のドアを開けたのですから、残り1枚も実は「ヤギ」だったという確率は非常に低いと思うのが自然ではないでしょうか?このケースでは、選び直した方が当たる確率は99倍になります。選び直せばほぼ確実に当たりです。

ドア3枚のケースでは、確かに選び直す時点でドアは2枚しかないので、一見すると確率は半々のように見えますが、実は半々ではない、ということになります。人間は騙されやすいのです。

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